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① 妊娠の成立の仕組み

  • 2008-10-31 (金) 14:45

妊娠のステップ

妊娠のしくみを知っていると、日々の治療の根拠がわかり、妊娠のイメージが膨らみます。

精子の準備

精子は、精巣(睾丸)の中にある精細管の中で精祖細胞精母細胞精子細胞と、2ヶ月半かけて成熟します。
精子はさらに、精巣の横にある精巣上体(副睾丸)を約10日間かけて通り、成熟精子となって精管膨大部にたまっています。
射精をする時は、精子は精管を通り、精嚢や前立腺の分泌液(精しょう:精液の99%を占める)とともに外に射精されます。
つまり、約3ヶ月前に作られ始めた精子が現在射精されています。

卵子の準備

卵子は、胎児期に、卵祖細胞→卵母細胞→原始卵胞と成熟し、卵巣内に保存されています。
思春期以降、卵子は、一次卵胞、二次卵胞を経て排卵にいたります。この二次卵胞の発育には約85日間かかりますが、最終的な発育の部分は、脳底にある下垂体から分泌される主に
FSH(卵胞刺激ホルモン)によって、月経開始後数日間成熟し、ある程度成熟がすすむとFSH、LH(黄体化ホルモン)両方の刺激で成熟します(ステップ①)
卵の成熟にしたがって、卵の周りを取り囲んでいる細胞(顆粒膜細胞)がふえはじめて、卵の周りに液体(卵胞液)をためていくようになります。
これを卵胞といい、超音波で卵胞計測をすることで卵子の成熟度を推定できます(ステップ④)
顆粒膜細胞からエストロゲン(卵胞ホルモン:卵巣の出すホルモンのひとつ)が分泌され、そのエストロゲンの影響で子宮内膜は着床に備えて厚くなり、排卵日ごろになると、頚管から卵白のような無色透明の糸を引くような粘液(頚管粘液)を産生させます。

排卵

卵胞が排卵に適した大きさになると、エストロゲンが大量に分泌されて、連鎖反応的に下垂体からLHが大量に分泌されます(LHサージ)。
このLHサージのスタートより平均36時間後に、卵巣表面に穴があき卵子は卵胞液とともに排卵します(ステップ⑤)
排卵中、卵管采(卵管の先端の手を広げたような部分)は卵巣の表面を毎分60回くらいの速さで卵巣をなで、卵子を捕獲し(pick up)、卵管上皮の線毛運動によって卵管内に取り込まれます(ステップ⑥)

受精の準備

排卵日付近になると、頚管粘液が分泌され、精子が子宮頚管を通過するのを助けます(ステップ③)
排卵日付近になると、子宮内膜が蠕動運動して精子を吸い上げる作用をしているのが経膣超音波で観測されます。
精子は、子宮腔、卵管を通った後(ステップ②)卵管膨大部で卵子が排卵されてくるのを待っています。
正常男性では、1回の射精で、約1~2億匹の精子が膣内に射精されますが、最終的に排卵側の卵管膨大部まで進める精子は約100匹程度です。

受精

精子は、卵管膨大部で卵子と出会います(ステップ⑦)卵子は卵丘細胞で覆われていますが、卵丘細胞は精子先体部と卵管粘膜のヒアロニダーゼにより分散します。
次に卵細胞の周りの丈夫な膜(透明体)を精子頭部にあるアクロソームで溶かした後、精子頭部が卵細胞膜に到達します。一匹の精子が卵細胞膜に接触すると、透明体は性状が変わり、他の精子が貫通できなくなります。
こうして多精子受精(1つの卵子の中に2匹以上の精子が入り込んでしまうこと)をおこさずに、受精が成立し卵子は受精卵として分割を開始します。
精子は卵細胞質に入ると、精子核を包んでいる核膜が消失し、核は膨化を開始し、膨化した核には再び核膜が現れて、雄性前核になります。この間に卵からは第二極体が放出されて雌性前核ができます。
卵管内での分裂
胚(受精卵)は卵管内で分割を繰り返し、約10時間後に前核と呼ばれる空胞のようなものが細胞の中にあらわれます。
通常2つの前核(卵子由来・精子由来が各1個)が認められます。多精子受精をおこした場合には前核が3つ以上認められ、この受精卵は正常に発育しません。
正常な受精卵は22時間後から2分割卵となり、さらに36時間後には4分割卵、48時間後には8分割卵、72~96時間後に16~32分割卵、110~120時間後に胚盤胞になります(ステップ⑧)

着床

胚盤胞は、子宮腔内に移動し、拡張(拡大胚盤胞)して透明帯という殻を中から突き破って(ハッチング)、受精後6~7日目に子宮内膜に接着します(着床)(ステップ⑨)
受精卵を受け入れる子宮内膜は、排卵までにエストロゲンの影響を受けて増殖し、排卵が終わった後は、プロゲストロンの影響下に分化し、受精卵をまちます。
子宮内膜に接着した胚は、トロフォブラストとよばれる足をだし、子宮内膜の中に侵入を開始します。
また、この細胞からHCG(妊娠反応を陽性にするホルモン)が産生されます。そして受精後14日目ぐらい(妊娠4週)には、市販の検査薬でも妊娠反応陽性になってきます(ステップ⑩)
さらに5日後、経膣超音波検査で子宮の中に胎嚢とよばれる袋が認められ、妊娠6週に、胎児心拍が確認できます。

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